グラストンベリー・アビー Glastonbury Abbey
ブラッドフォード・オン・エイヴォンの出発が17時35分、リストアップした訪問先の幾つかはカットとなるが、一つだけ20時までという施設がある。
それがグラストンベリー・アビーだ。降りしきる雨を突いて走る。
グラストンベリーの街に入ってもトー(Glastonbury Tor)の姿は霧でその方角さえ分からない。
グラストンベリー・アビーは7世紀に設立され、10世紀に発展拡張した。12世紀に火事で焼失するが、14世紀にはイングランドで最も豊かで、
最も強力な修道院へと発展するのだ。しかし、16世紀にヘンリー8世の解散令により破壊され、現在は廃墟となっている。
入り口に最も近いパーキングは込んでいるかと心配したが、オープン時間が終わってしまったのかと心配になるくらいガラガラだ。
それもそのはず、外に出るのを躊躇うほどの雨だ。小止みになるまで暫し車中で待って入場する。芝の中は水溜り状態だ。
写真下は左から十字架(The Queens Cross)の向こうに聖母礼拝堂(Lady Chapel)の廃墟が美しい。これが最も良く残っている部分だ。
レディー・チャペルの地下に下り、最も西側から祭壇方向を見る。パーキングとの壁のバラ、心和む。八角形の修道院長の台所(Abbot's Kitchen)だ。
聖母礼拝堂に続いて"Great Church"の廃墟がある。長さ140m、幅25mはあろうかという壮大のものだったようだ。写真下左の右の壁が身廊(Nave)部分の側壁だ。
左に見える2つのアーチは南北の翼廊(Transept)のアーチだ。アーチの下に立つと大変な規模だったことが伺われる(写真下左から2枚目)。
ここには少なくとも12世紀からアーサー王の伝説があり、王の墓跡といわれる場所もある。
レイラインも通っている場所だということだが、今日の私には何も感じられない。少々疲れている所為だろう。
中庭のブロンズ像に惹かれる。ロバに乗った修道士と子供の像だ(写真下右から2枚目)。二人の顔がとても穏やかで温かく感じられる。(写真を拡大すると顔の拡大写真も)
置かれたプレートによれば修道士は10世紀にグラストンベリーで修行し、カンタベリー大聖堂の大司教となった"Sigeric"と分かる。
しかし、”この像のシーンが表すものは何か?”が気になる。色々調べたが、多くは分からない。Sigericがローマ法王からカンタベリーの大司教になる許可
(すなわち大司教用肩衣(pallium))を得るためにカンタベリーからローマまでの巡礼中の一シーンで農家の子供が収穫した果物をお布施している場面ではないかと思われる。
この時代の巡礼は危険と困難の連続であった中、Sigericは80日でローマに到着した。それは画期的なことでその順路がその後の巡礼者の指針となったようだ。
(このことは定かな情報ではない。私の憶測に過ぎない) そんな風に見るとほのぼのとした中に厳粛な気持ちもしてくる。
Address | Magdalene Street, Glastonbury, Somerset BA6 9EL |
Telephone | 01458 832267 |
Web Site | Glastonbury Abbey |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
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